“シェルター”による「子どもと健康」調査

2012-01-07

イギリスの居住運動団体“シェルター”は、医師、児童心理学者、保健婦、ケースワーカー養護教諭、児童施設職員、牧師、親などの協力のもとに「住環境が子どもの発達に与えている影響」について調査し、その影響の大きさを明らかにした。報告の1部を紹介しよう。「発育期に住宅問題にさらされた子どもたちが、長期にわたってどのような影響を受けているか、わたしたちは正確に認識しているだろうか。わが国の不十分な住宅政策は多くの子どもの健康、教育、社会的あるいは精神的問題に直接的に影響を及ぼし、その影響は大人になっても持続している。

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この問題の解決のために福祉サービスのような援助策に金や労力を注ぐことはしばしば手遅れで、表面的な援助にすぎない。本当の解決は、住宅問題の根本の原因をとりのぞくことにある。」「ひどい住宅に住む子どもの健康と新しい住宅に住む子どもの健康を比べると、前者は消化器官の状態が悪く風邪や気管支炎などの呼吸器疾患にかかりやすい。家の中にトイレ、浴室のない、熱いお湯の出ない家に住んでいる子どもは設備のある家の子どもより胸の病気にかかりやすい。算数の能力が9ヵ月、読解力が10ヵ月遅れている。過密居住におかれている子どもはそうでない子どもの2倍くらい非行やけんかの好きな于どもが多い。高層住宅は子どもに対して成長の場を与えない。遊び場がなく自由もない。とくに少し冒険をしたがるような年長児にとっては両親の目の届く範囲で安全に遊ぶほかなく、子どもたちを意気消沈させ孤独にしている。」さらに転居の影響、居住環境と子どもの虐待の関係などの指摘がつづく。調査は結論として、「子どもたちの情緒問題に関して、ひどい住宅事情のなかでは何をやっても水中で人工呼吸をしているようなものだ」と述べている。