水道の蛇口をひねるような大出血の映像が脳みそのスクリーンに映しだされる。この日以降、大出血の恐怖もわたしの心配ごとリストのなかに加わった。医師のあいたでも結論はでないようだった。そこでつぎの受診日に別の医師に意見を聞いてみる(この病院では複数の医師が外来をみていた)。彼はじっくり考えながらこういった。「筋腫をもっている人は陣痛促進剤を使わないほうがいい。理由は促進剤で強い収縮をおこさせると、どうしても収縮が均一にいかないので子宮破裂のリスクが高まる。手を加えたときに事故はおこる。赤ちゃんも元気だし、自分なら自然分娩することをすすめる」。やれやれ、1か月もかかってちょうどひとめぐりしてきた感じだ。翻弄され、ヘトヘトだった。結局「例外として、出産方法はあなたが決めていい」ということに。さじを投げられちゃったのかもしれない。でも、いい意味に解釈すれば、いろいろな医師の意見を聞き、自分なりに考える材料が与えられ、決断も自分でできる、めったにない幸運というわけだ。
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