悪い成績を取ったとき、親の怒る顔が目に浮かんで、なんとなく憂うつになることはないだろうか。そこまで意識しなくとも、なんとなくイケないことをしたような罪悪感や、だれかに罰せられるような不安な感じを持つ人がいるかもしれない。「こんな成績を取ってばダメだ」とか「こんな自分はイケない自分だ」という形で出てくる不安、これが、不安の三つ目の解釈である。自分を観察して、イケない自分を批判したり、罰したりする心の機能を、フロイトは「超自我」と呼んだ。前述した自我理想も、実は、超自我の一種である。ただ、専門的にいうと、「こうしてはダメ」という禁止(命令)の働きを、狭い意味での超白我と呼ぶ。さらに、「自分はこうあるべき」という自我理想が加わったものが、広い意味で超自我と呼ばれている。くり返しになるが、超自我も自我理想と同じ親との関係の中で育ってくるものと考えられている。とくに、ものすごく厳しい教育ママ(パパ)に育てられた場合、「こうしてはダメ」が前面に出てくる超自我が形成されやすい。たとえば、テストで悪い点を取ったときに、親が「こんな点を取ってきて、なんてダメな子なの」と叱ったり、ときには罰を与えたりする。そうするうちに、子どもは、「……してはダメ」「……すると罰せられる」という形で、親の価値観を取り込んでいく。そして、現実に悪い成績を取ってしまうと、親の価値観に反することをしているという、罪悪感、不安感に見舞われるのである。ここから生じる不安を、「自我理想型の不安」と区別する意味で、便宜に、「超自我型の不安」と命名しておこう。