暗唱といえば将棋の名人といわれる人は、必ずだれよりも過去のあらゆる勝負の展開をそらんじでいるといわれます。また指揮者のカラヤンは、楽譜をすべて暗唱していたといわれます。音楽を自分の身体にしていく人が楽譜をそらんじるのは、むしろ当然のことではないかと思います。また、英国の元首相・チャーチルは、ふつうの勉強は嫌いだったけれど、古典などの名文の暗唱だけはだれよりも長じていたといわれます。きっと名文のリズムに魅了されているうちに自然に覚えずにはいられなかったのでしょう。彼が後年に行った名演説の基礎はここにあったと思います。たくさんの名文をそらんじるうちに自ずと自分のことばがわき出てきたのではないかと思います。創造は模倣の極致にあるのです。イギリスのライバル国フランスでも、学習の基本は暗唱です。