箱根のお泊まり合宿は、集団のルールを学ぶいいチャンスです。電車などの公共機関を利用しますから、公衆道徳も体得できますし、箱根の豊かな自然にも触れられます。ペーパーテストの詰め込み教育で育ったお子さんとは違い、体験を通して学ぶことができます。3年間お泊まり合宿を続けてきて、何より私かうれしかっだのは、お子さん達が思いやりの心を身につけてくれたことです。1度、行きのロマンスカーで具合が悪くなって、2度も吐いてしまった子がいました。お母様と出発前にいただいた昼食がよくなかったようです。でも汚いなどと騒ぎ出す子はいなくて、それどころか着替えのお洋服がないなら私のを着ていいよと、リュックの中から自分の洋服を出して貸してくれる子がいたのです。また、ロマンスカーの中で展望席に入りたそうにしている一般客のお子さんがいたのですが、その子を呼んで、自分の席を詰めてすわらせてやった子もいました。有名私立に合格するには、人を蹴落せといわんばかりの教育を行う塾もあると聞きますが、果たしてそれが幼児期の正しい教育でしょうか。困っている人を思いやる、そういうやさしい気持ちは、テストの場でも必ずにじみ出てくるものではないか、私は常々そう思っています。むろん、1回合宿に参加したからといって、すぐに子どもに変化が現れるかといったら、それはむずかしいと思いますが、希望者は年に7回まで参加できます。一度も参加しない子もいますが、ほとんどのお子さんは、平均3〜4回は参加しています。事故があったらどうするんだとおっしゃる方もいますが、私どもとしても、スケジュールを検討した上で、保険をかけるなど万全の準備をしています。幸いこれまで事故は一件もありません。月に1度ですので、引率する教師の負担も相当大きいのですが、今後も続けていきたいと思っています。